こんにちは、ゆなと申します!
吃音を持っていると、「人前で話す機会があるけど、どもってしまわないか心配・・・」「話すときの緊張をやわらげたい!」という悩みを抱えることも少なくありません。
話しているときにどもってしまったら、相手はどう思うだろう。そんなことを考えてしまうと、会話することが怖くなってしまいますよね。
今回は、吃音当事者である私が実践している『どもらない方法』と『緊張をやわらげる方法』をそれぞれ4つ紹介します。
「完全にどもらないようにする」ということは難しいですが、私の場合はどもりが軽減されてかなりスムーズに話せるようになりました!
吃音の症状は人によりさまざまです。私が紹介した方法が必ず役立つわけではありません。吃音で悩んでいる場合は、言語聴覚士などの専門家に相談することも検討してみてください。
自分に合った方法を探すために、この記事を役立てていただければ幸いです。
どもらない方法
まずは、人前で話すときや会話するときにどもらない方法を紹介します。
私が普段から意識しているのは以下の4つです。
- 言葉を置き換える
- 話すスピードを調整する
- 「原稿通りに」を意識しすぎない
- 理解者を増やす
言葉を置き換える
私が最も活用している方法です。
一見どもっていないように見せる方法とも言えるかもしれません。
特定の発音や単語でどもってしまう場合、類似した意味を持つ言葉に置き換えてみましょう。
例えば・・・「頼む」⇔「お願いする」・「調べる」⇔「検索する」など。
一人称やあいさつなど置き換えが難しい言葉もありますが、それ以外の言葉は補えるのでどもりが多少軽減されたり、どもってしまったときに上手く持ち直すことができます。
会話はだいたいのニュアンスが伝われば成立するものです。特定の言葉にこだわる必要はありません。
読書などで語彙力をつけておけば、話しながら頭の中で置き換える言葉を探すことも容易になります。
話すスピードを調整する
吃音は、一言話すだけでも時間がかかってしまうことも少なくありません。それが分かっているからこそ、焦って余計にどもってしまう人もいます。
まずは焦らずしゃべることを意識して、話すスピードを調整してみてください。
ゆっくり話す、区切って話すなど、自分に合った話し方を見つけることで話しやすくなる場合もあります。
しかし、「どもりが少なくなっても、ゆっくり話すことでイライラさせてしまうのではないか」という心配から焦りを感じる方もいますので、すべての人におすすめできる方法ではありません。
自分がどんな場面でどんなことを考えるとどもりやすいのかを理解すると、どの方法が自分に合っているのか分かりやすいです。
「原稿通りに」を意識しすぎない
きっちり原稿通りにしようとすると、言葉の置き換えができないプレッシャーでどもってしまったり、どもりが酷くなることがあります。
私はあらかじめ言うべき言葉が決まっているとどもりやすいタイプで、「原稿通りに」ということを意識しすぎてどもりが酷くなってしまったことが何度かありました。
すべて原稿通りにしようとするのではなく、「これだけは」という部分はしっかりと伝え、ほかの部分は言葉を置き換えても大丈夫と考えてはどうでしょうか。
完璧にやり遂げようとする姿勢はすばらしいですし、大事なことです。ですが、それが負担になってしまうなら、もう少し気楽に考えてみるのは悪いことではありません。
理解者を増やす
友人などの近しい人に吃音であることを打ち明けて、理解してもらうのもひとつの手。
誰かに理解してもらえているというだけで安心できますし、何かあったときに相談できる相手の存在はとても大きいです。
「からかったりしないでほしい」「どもってしまっても何も言わずに待っていてほしい」など、自分の気持ちを付け加えるとさらに安心できます。
ひとつ注意しておきたいのは、相手も人間なので、時には理解してもらえないこともあるということです。
理解を強要するとお互いに嫌な思いをするかもしれません。理解してもらえないときは、「これだけはしないでほしい」などの自分の中で最低限のお願いだけ伝えましょう。
私のように、「この人の前ではどもっても大丈夫」と思えることでリラックスできて、あまりどもらなくなるケースもあります。
勇気がいることですが、信頼できる人や理解してもらいたい相手がいるのであれば、思い切ってカミングアウトすることも検討してみてください。
緊張をやわらげる方法
次に、話すときの緊張をやわらげる方法を紹介します。
私が紹介するのは以下の4つです。
上の2つは主に人前で話すとき、下の2つは会話するときにも使える方法になります。
- 練習
- 気を紛らわす
- 理解者にそばにいてもらう
- 割り切る
練習
練習といっても、「練習する」「あえて練習しない」の2つに分かれます。
練習をすると、苦手な文章を変えたり、どもりやすい部分を把握して対策するなどの準備ができます。
「練習でできたから大丈夫」という自信もつけることができるので、安心して本番にのぞむには持ってこいですね。
一方で「練習のようにできなかったらどうしよう」と考えてしまう方におすすめなのは、必要なことは覚えておいて、あえて練習はしないという方法です。
練習するのとはまた違う、「必要なことは覚えているから、あとは自分なりの言葉で伝えれば大丈夫」という安心感が得られます。
気を紛らわす
練習したか否かは関係なく、人前で話すのは緊張するという人も多いでしょう。
そんな時は、別のことを考えて気を紛らわせてみてください。
ポジティブな想像で心をほぐしたり、深呼吸をして気持ちを落ち着けるのが定番です。
時間があるのであれば、好きなことをしてリフレッシュするのも良いかもしれません。
理解者にそばにいてもらう
発表の直前や誰かに話しかけるときなどは、吃音のことを理解してくれている人にそばにいてもらうことで緊張をやわらげることができる場合もあります。
励ましの言葉は自分を理解してくれている人に言われるとさらに安心できますし、うまく話せないときにはフォローしてもらえます。
ずっと頼りっぱなしというわけにはいかないかもしれませんが、少しずつ話すことに慣れるために協力をお願いすることに問題はありません。
一人で解決しようとせずに、周りを頼ってみてください。
割り切る
吃音による緊張や不安を取り除くには、割り切るのが一番手っ取り早いです。
「吃音は自分が持つ個性のひとつ」「吃音だけど、生活できてるからそれでいい!」など割り切り方は人それぞれですが、大切なのは、吃音や吃音である自分を全否定しないこと。
吃音を持っていることがコンプレックスだという方もいると思いますが、だからといって何もかもダメということはありません。
吃音であることがマイナスだと感じるのであれば、それを補える何かを見つければ良いのです。
なかなか難しいことではありますが、得意なことを突き詰めたり、成功体験を増やしたりして、少しでも自分を肯定できる部分を探してみてはどうでしょうか。
ちなみに私の場合は、生徒会役員などの目立つことをやってみたりして、「吃音でも問題なくこれができた」という体験を増やしました。
あれができた私ならきっと大丈夫という漠然とした自信ではありましたが、何かをするにあたって少なからず支えになったと感じています。
まとめ
この記事では、私の経験にもとづいて「どもらない方法」と「緊張をやわらげる方法」を4つずつ紹介しました。
【どもらない方法】
- 言葉を置き換える
- 話すスピードを調整する
- 「原稿通りに」を意識しすぎない
- 理解者を増やす
【緊張をやわらげる方法】
- 練習
- 気を紛らわす
- 理解者にそばにいてもらう
- 割り切る
以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございました。